今朝は、-5℃。温室への道は、凍みた雪がキュッキュッと軽い音をたてています。温室のガラスも霜がつき、陽が射すのを待っているようです。
育苗箱にも霜柱。発芽した小さな葉っぱは、寒さに縮こまる人間などは想像も出来ないくらい凜とした風情。本来ならば深い雪の中でこんもりと守られている赤ちゃん達は、温室の育苗箱で霜柱にあたろうが、へっちゃらだいと言わんばかり!!
今年の冬は少し変。連日の大きな寒暖の差で人間は体調維持に四苦八苦です。温室内の温度は、-3℃。高山植物たちは、そんなことは想定内のことのようで、案外温室にいるのは、人間なのかしらと小っちゃな苗たちの力強さを感じた朝です。
コバイケイソウは、その可憐な花の姿からは想像できませんが、全草有毒の植物です。芽だしの頃は、オオバギボウシやギョウジャニクニクの芽だしと酷似しているため、中毒事故が多いそうです。この辺りではそのような事故は耳にしませんが、どちらかと言えば日本海側に多い植物だそうで、きれいな花は愛でて楽しむにこした事がありません。
2011年、白山弥陀ヶ原でのコバイケイソウの群落です。ガスの中で、白い花穂がずっと彼方まで続いていました。 撮影 濱谷留広氏
コマクサは、白山にはない植物です。その名の通り、花を横から見ていると馬の横顔に似ています。白いコマクサを目指して歩き、キレットの深さに退散した北アルプスでの一日が思い出されます。
これは、在りし日の中宮道沿いのコマクサ。花言葉は、「高嶺の花、誇り、気高い心」
