加賀を中心に大雨が降り、水量の増した手取川のもの凄い濁流に、山に降った雨の量を思いました。雨が止んで翌日の今日、日も射して来訪者がありました。白山登山を中止。ロックガーデンを見学して下さいました。ハクサンシャジンやタカネマツムシソウ、ソバナなど夏に涼しい青色系の花々が和ませてくれます。
今を盛りに花を咲かすもの。もう種を作ったもの。植物たちのサイクルに合わせて仕事があります。今は、種を取る作業です。植物園や見本園、温室の傍らの寒冷紗の下のポットたち、勿論種の形も大きさも違い、花の形からは想像も出来ないものも中にはあります。
これは、ニッコウキスゲの種。胡麻3粒くらいの大きさで光沢があります。
これは、ハクサンフウロの種。胡麻粒くらいの大きさです。
これらの種を播いて育てて、命を繋ぎます。白山高山植物園やロックガーデンを飾る花々の始まりです。
ミヤマニガイチゴの赤い実
シラタマノキには、薄いピンクがかった実がついていました。白山で見るのと違い、何だか木は大きいのですが、その割に実は小さめ。
温室の傍の見本園では、チョウジギクが咲いています。本来は、湿ったところの好きな植物で、市ノ瀬までの白山公園線でも水の流れている岩壁に咲いていたりします。お隣の取立山では、大滝へのコースで見る事が出来ます。キク科ウサギギク属の多年草です。和名の由来は、フトモモ科の丁字(チョウジ→開花前の花蕾を乾燥させて香辛料として使われるクローブ)に似ていることからきているそうです。
白井さんから種採りの仕方を教えてもらいました。種を播いて、育てて植物園に植栽されます。種の付き方で採り方が異なります。未熟な種を播いても発芽しないので、熟した種の見分け方も教えてもらいました。
ムカゴトラノオは、ムカゴを採って播くのですが、もうムカゴから発芽しているものもありました。
白山の植物を繋ぎ、増やす努力が、日々の作業から始まっています。
ガマやヌマハリイが生えるイモリ池では、様々なトンボと共にイモリを見る事が出来ます。小さな手の指を見ていると、なかなか愛嬌が感じられ、ほのぼのとした思いになります。高山植物園を作り始めた頃は、ほんの水たまりだったイモリ池は、今では生態系の力強さを感じる事の出来る場所となりました。
温室の隣の施設「かもしか」では、「花のハガキ絵展」を開催中です。山が大好きで、山で出逢った植物たちを描いた金沢の三輪和恵さんのハガキ絵の展示です。オープンガーデンに合わせて、7月15日(月・祝)まで開催中です。是非、お立ち寄り下さい。
ハクサンシャジンも咲き始めました。低地にあるツリガネニンジンの高山型で高さは50㎝ほどと図鑑などにはありますが、成長期の少雨の為、ちょっぴり小さなハクサンシャジン。隣のヤマハハコの方が大きく見えます。 キキョウ科ツリガネニンジン属
こちらは、クサボタン。キンポウゲ科センニンソウ属 名前の由来は、葉がボタンの葉に似ていて、草のように見えるからとのこと。しかし、落葉半低木だそうです。反り返った花びらに見えるのは、萼で、雌雄異種。雌花と雄花があります。とても良い香りがします。
明日の予報は、曇り時々小雨。傘をお忘れなくご来園下さい。
植物園では、オオバギボウシやタテヤマウツボグサ、カライトソウが咲き始めました。イモリ池のそばでは、ムラサキシキブの花も見ることが出来ます。ヤマアジサイ、ノリウツギ、クロヅルなど植物園までの道沿いで楽しむ事が出来ます。
温室傍の見本園では、ガガイモ科のスズサイコの花が咲きました。石川県の絶滅危惧Ⅱ類に分類されています。
今日は雨模様ですが、予報では明日は晴れる模様です。しかし、念のため、傘をお持ちになってご来園下さい。 